現役の歯科医師が教える「いい歯医者」の選び方!

あなたは歯医者を選ぶときにどういった基準で選びますか?

綺麗で新しい歯医者? 口コミの多い歯医者?

インターネット上には数え切れないほどの情報があふれていますよね。そんな中から自分に合った歯医者を探すのはとっても大変だと思います。

今このページをご覧になっているということはきっといい歯医者を求めて悩んでいる最中なのでしょう。

歯医者=痛い、怖い、ずっと通わなくてはならないといったマイナスイメージを抱く方が多いと思います。

できれば痛い思いも怖い思いもしたくないし、治療期間が短い方が嬉しいですよね。こういったことは患者さんにとってはとても重要なことだと思います。

しかし痛くなくてすぐに治療が終わる歯医者=いい歯医者といえるのでしょうか。

今ある歯を大切に長く使って頂きたいが故に治療が長引いてしまうこともあります。どうしても患者さんの考えるいい歯医者と私たちが考えるいい歯医者には違いが出てきてしまいます。

それは仕方の無いことですができる限りこのギャップを埋めていくことで納得のいく歯医者選びに繋がると思います。

歯科医師が教える「いい歯医者」の選び方

歯科医師の腕がいい

歯科従事者が考えるいい歯医者といえば、まず腕がいいことです。

腕がいいとはどういうことかというと、手先が器用で専門知識が豊富ということが必須であり、確実できれいな治療ができることをいいます。

そのうえで粗雑ではなくなめらかに丁寧に治療をおこなう歯医者は優秀で、形成という歯につめものやかぶせものをするために歯を削って歯の形を整える治療で、削った後の歯の形がきれいになります。

形成した歯の形が悪いと、つめものやかぶせものがぴったり入らなかったり、はずれやすくなったりしてしまいます。そうすると再治療になるだけではなく、虫歯の再発率が高くなってしまいます。

形成した歯につける仮歯を上手に作れる歯医者も腕がいいです。仮歯の形や色をきれいに作るためには歯の形態をよく知っていて、仮歯の材料の特性を知っていて上手に扱える必要があります。

また、的確な判断でスタッフに指導ができ、患者さんが求めることに応えることも必要ですし、十分な知識、経験があり、手先も器用でセンスがあり、実際の治療手技も滞りなく進められることも重要です。

治療に対し治療前から治療内容を予測し、それに従った治療結果を出せる歯医者は、腕がいいと言えるでしょう。

受付・歯科衛生士の対応がいい

当然、歯科医院によって先生以外のスタッフの対応も違います。

歯科医院のスタッフは、受付、歯科助手、歯科衛生衛生士などが在籍しており、それぞれ担当する役割が決まっています。

<各担当の役割>

受付:患者さん対応、電話対応など事務的なこと

歯科助手:簡単な治療の補助や器具の準備と片付けなど

歯科衛生士:歯科医のアシスタントと歯周病の管理や治療

そのスタッフたちが親身に対応してくれ話をちゃんと聞いてくれたり、安心、信用できるような身だしなみや言葉遣いをしていたりすると、好印象ですよね。

反対に対応が雑だったり、言葉遣いがちゃんとしていなかったりするとイメージが悪いです。

歯科衛生士は国家資格なので、専門知識があり、歯に関して必要なアドバイスをしてくれることもあるでしょう。

歯科医師との連携もしっかりできていて、話を歯科医師に伝えてくれると安心ですね。

症状・治療内容の説明をしてくれる

治療にあたってお口全体の状態を検査し、現在の問題点や将来的な問題点、その理由と解決方法の選択肢を説明されるとすごくしっかりした歯医者さんだと思いませんか?

一般的な歯科医院では治療以外に十分に時間が取れないため、説明が疎かになりがちといわれます。

虫歯や、歯周病の状態はレントゲンだけではなく、鏡などで直接見せてもらったり、治療途中もどのような状況か確認させてもらえたりするとわかりやすいし安心ですよね。

治療方法の選択をするときも自分の歯の状況がわかっている方が選びやすいと思います。

ただ、少し時間がかかることが多いので時間に余裕を持って行くか、説明と治療を分けてしてもらったりするといいでしょう。

歯科医院によっては「何時までに病院を出たい」などのご希望を聞いてくれるところもあります。

特に初診時は検査と説明で1時間くらいはかかることが多いです。

興味があることや料金・期間・回数など、なんでも質問しやすい歯医者さんは良いですよね。

院内を清潔にしている

歯科医院は治療をするところですから、不衛生で汚いところは嫌ですよね。

まずは入り口から、最近はスリッパなどに履き替えずに靴のまま入る歯科医院が多くなっていますが、スリッパに履き替えるようであればその入り口の整理整頓の具合が気になるところです。

スリッパや脱いだ靴が乱雑になっているところは要注意かもしれません。

次は廊下や待合室、整然ときれいにされていれば大丈夫でしょう。古い歯科医院でもきれいに保たれいているところは多くあります。

そして診療室は治療する椅子を中心に汚れがついていないか、水回りは清潔にされているか、匂いはないかなどが気になります。

また、おいてある器具が滅菌された状態なのかも大切なポイントです。最近ではタービンという歯を削る時に使う器具を滅菌しているかどうかが問題になっていました。

滅菌してあるかどうかは、青いビニールの袋に封をされた状態であることが一つの目安です。

定期的に専門の清掃業者を清掃に入れて、すみずみまできれいにしている歯医者さんもあります。

全体を診て治療の判断をしている

歯医者に行くときといえば、だいたい痛みがあるとか、歯が欠けた・外れたとか、歯ぐきが腫れたとか、血が出るなどの悩みがあって行くことが多いと思います。

そんなときに、気になる部分だけ診てくれる歯医者と、全体を診たうえで診断する歯医者がいます。歯科従事者としては後者のほうがいい歯医者です。

なぜなら歯は通常永久歯で28本あり、上下左右の前歯と奥歯の全体でバランスをとっています。そのため、気になるところの根本的な原因が他にあることも多いのです。よって、全体を診る必要があります。

お口の中全体を診て、総合的に診断と治療計画をたてるのがいい歯医者です。

例えば左下の奥歯が1本なくて、右側の奥歯が痛くなった場合は、左側の奥歯でしっかり噛むことができないため、右側の奥歯に負担がかかっていることが原因の一つになります。

右側の奥歯につめものやかぶせもの、虫歯があったりすると、つめものやかぶせものがはずれたり、虫歯が進む原因にもなります。

また、歯がない状態を数か月以上放置していると、歯のないところにかみ合わせになる反対側の歯が入り込んできて、上下の歯の高さのバランスが悪くなり、顎の痛みなどの原因になります。このような場合には歯がないところだけではなく、反対側の歯も治療が必要です。

このように、今症状のある場所だけではなく全体を診ることが大切で、患者さん一人一人に合わせた最適な治療計画を提案してくれるのが、いい歯医者です。

予防歯科に力を入れている

予防歯科とはもともと歯や歯ぐきに病気のない状態の人に、虫歯や歯周病にならないように予防的に行う治療のことです。定期的な検診、歯石除去などに加え、一人ひとりの患者さんの状態に合わせたメインテナンスが必要です。

虫歯や歯周病がある人でも、虫歯や歯周病の治療が終わったら歯科医院に通うのは終わりではなく、予防歯科にて定期的なメインテナンスをすることが自分の歯を永く残すために重要です。

虫歯の治療や歯周病の治療が終わると、歯医者通いが終わってホッとした気持ちになりますよね。

そこでしばらく通わなくていいんだと思われるかもしれませんが、定期的なメインテナンスをすることによって、嫌な治療を受ける機会が少なくなるので、予防歯科は受けたほうが得とも言えます。

具体的には歯のトリートメントであれば、まず歯垢染め出し液にて歯垢を赤く染め出し、歯垢の残っている部位を患者さんと一緒に確認し、全体の何%残っているのかを記録します。その部位に合わせて、歯科衛生士が丁寧にブラッシング指導をします。

ブラッシング指導はそれぞれの患者さんに合わせて、歯ブラシの種類や、デンタルフロス、ワンタフトブラシ、歯間ブラシなどを選択してわかりやすく説明するというものです。

その後、残っている赤くなったプラークを歯科衛生士が専用ブラシや、カップなどですべて取り除きます。歯の表面がきれいになったあと、歯を守るフッ素と、消毒作用のあるクロルヘキシジンの入ったジェルを歯と歯間に塗布しパックします。5分間そのままにして終わりになります。

歯のトリートメントを行うごとに歯垢が何%残っているかを比較して、患者さん自身でのセルフケアの向上も行っていきます。

虫歯や歯周病の治療だけではなく、予防歯科に力を入れているのは、いい歯医者です。

患者の負担を軽減する治療器具を使っている

患者さんが安心して治療を受けられるように、歯科医の技術だけではなく診療の安全性、スムーズさなども必要ですね。

いい歯医者さんでは、お口の中に入るほとんど器具類を滅菌するか、使い捨てにします。

滅菌する器具類に関しては、患者さんの治療ごとに滅菌する必要があるので、余裕を持った数を揃えています。

また痛くない治療を行うための表面麻酔、電動注射器、笑気ガスなどの器具のほかに、麻酔に使用する注射針は33G(0.26mm)という一番細い針を使用しているでしょう。

注射針は細ければ細いほど注射針を刺すときの痛みが少なくなります。患者さんは表面麻酔とこの注射針の組み合わせの麻酔で、ほとんど痛みを感じない治療が受けられます。

前歯の虫歯の治療に使うコンポジットレジン(プラスチックのつめもの)は自由診療に対応できるように多くの色調を揃えているところが良いでしょう。

根管治療に使用する器具も精密ないい歯医者の治療をするにはいろいろな器材を揃える必要があります。

根の治療の際にゴムのマスク

歯の根の治療をする際にラバーダムという装置を使用することがあります。

これはラバーダムシートというゴムのシートに小さな穴を開け、ラバーダムクランプという器具に装着して、ラバーダムシートの穴から歯を出すようにしてシラバーダムクランプで歯の根元を挟んで固定し、口の外でラバーダムフレームという枠にラバーダムシートが伸びるように固定して使用します。

固定されるとラバーダムゴムのマスクのようになり、口の中で根管治療(歯の根の治療)をする歯だけがゴムの中にぽっかり見える状態になります。そうすることによって、お口の中の唾液や呼気の水分が歯の根に入ることを防ぎ雑菌が入らないようにします。

根管治療(歯の根の治療)では治療終了後に根尖病巣(歯の根の先の病気)ができる可能性があります。その原因は様々ですが、原因の一つとして唾液などの雑菌による影響があり、それを防ぐために使用する装置です。

ラバーダムは唾液や水分を防ぐだけではなく、舌を抑える役割や、患者さんが口を開く助けをする役割があり、歯科医の治療をスムーズにしてくれるいい歯医者の治療に必要なものです。

根管治療(歯の根の治療)は治療終了後の再発をしないようにすることが、いい歯医者の治療には重要です。

そのためにはラバーダムだけではなく、治療に使用する小さな器具一つ一つをすべて滅菌すること、マイクロスコープや拡大鏡を使用して治療部位がよりはっきり見えるようにすること、必要に応じてCTでの検査を行うことなどがあります。

口腔外バキューム

口腔外バキュームとは、ユニット(治療椅子)のそばに設置する特殊な掃除機のようなものです。

歯医者で歯を削るときには主にエアタービンという器具を使用します。エアタービンは空気の力で歯を削るバー(ドリル)を高速で回転させ、削っている部分が熱くなるのを冷やすためと削った欠片を流すために水を噴射します。

口の中の水や削った欠片は通常のバキューム(口腔内バキューム)で吸い取りますが、エアタービンを使用するとお口の外にも水や削った欠片が飛散します。

口腔外バキュームはこれらの飛散した飛沫を吸い取り、広く飛び散らないようにするための機械です。

通常のバキューム(口腔内バキューム) だけでは吸い取れなかった飛沫や飛沫粒子も、口腔外バキュームを使用することにより80%以上吸い取ることができます。

飛沫には水や削った欠片の他に唾液や血液が含まれていますので、口腔外バキュームを使用することで、物理的に空気を汚さないだけでなく衛生的になり、院内感染や異臭を予防します。

また、歯のつめものや被せ物、入れ歯や仮歯などを調整するときにも削った欠片が出ますが、これらの吸引にも使用します。

患者さんの健康はもちろん、医療従事者の健康にも役立ついい歯医者の設備です。

【+α編】「いい歯医者」の選び方

HPの内容が充実している

いまやほとんどのお店やクリニックがホームページを持っています。

これを見れば、ある程度の情報を得ることができます。

医院の場所や電話番号などの基本的な情報の他に、医院の特徴や治療方針、院内の設備などの写真、治療方法の種類や治療費の料金表などがあり、内容が充実しているほうがいい歯医者と言えるでしょう。

ブログなどで歯科医院の雰囲気が伝わってくるところもいいかと思います。また、ホームページからwebで予約がとれるところは便利ですね。

予約制をとっている

多くの歯医者は基本的に予約制です。なるべく待たせないための制度です。

診療にかかる時間も、おおよその時間を見込んでその時間までに終わるようにしているとのことです。

ただし、痛みで苦しんでいる急患が入ったり、治療の内容次第で予定よりも時間がかり、伸びてしまったりすることもあります。

予約のキャンセルや変更があると、ほかの患者さんの予約に影響があるので、予約した日時を守ることが、待たされないコツです。

歯科医師とスタッフの連携がスムーズ

歯科医院には歯科医のほかに、歯科衛生士、歯科助手、受付などのスタッフがいます。それぞれに役割があり、業務が円滑に進むように連携して歯科医療にあたっています。

各スタッフが、各々自分の仕事を全うし連携が取れていると、歯科治療がスムーズに進むとともに、治療の結果も良好になります。

この連携が取れずにバタバタしているようだと、患者さんの治療室へのご案内から、必要な器具の準備や実際の治療、お会計と次回予約などすべてに時間がかかってしまい、歯科医が一人ひとりに時間をかけて診療できなくなってしまいます。

さらに、スタッフ一人一人が自分のスキルアップの意識を持ち、常に向上しようとすることも大切です。そのためには院内での勉強にとどまらず、院外のセミナーや学会に積極的に参加することが必要です。

このような意識の積み重ねで、チームプレーは実現するので、歯科医院スタッフ全員がそれぞれの仕事に責任をもっていて、連携できている歯医者はいい歯医者です。

予算を考えてくれる

歯医者で治療を受けるにあたって治療費が気になると思います。

保険診療では初診料、再診料、治療費のほかに、月ごとに疾患管理料、設備による環境加算などの加算があります。

保険診療の治療費は細分化されていて、管理料、加算などにより、1回の治療費を事前に正確に出すことは難しいため、治療に対するおおよその料金を伝えてくれます。

自由診療はわかりやすい料金設定でご相談のうえお見積もりを出してくれる歯医者さんが安心です。

最善の治療プランの提案や、予算に合わせて治療のグレードを相談してくれると、ご予算内で納得の行く治療プランを選ぶことができますね。

支払には現金のほか、クレジットカードやデンタルローンの利用も可能な歯医者もあります。

拡大鏡を使用している

拡大鏡は、肉眼で確認できない細かいところを何倍にも拡大して見やすくする装置です。明るいライトがついていることが多いですね。

歯医者の治療は口の中の見えにくい場所で、非常に細かい作業をします。

例えば、歯の根の治療に使用するファイルという細い針金のような器具がありますが、その一番細いものの先端は0.06mmという細さです。

歯の根の中の入り口は歯の種類や状態によって変わりますが大きくても1mmちょっとで、細くなっていると肉眼で見えないくらいになります。

そのようなところに神経の取り残しや汚れがあると、歯の根の治療の成功率(再発しない確率)が下がってしまいます。

拡大鏡を使用して歯の状態をよく見えるようにして治療することでいい治療ができるようになります。

つめものやかぶせものの治療も同様によく見えていたほうが精密に治療できます。

得意な歯科を紹介してくれる

大きな神経に近い親知らずの抜歯や、大きな骨の中の病気や全身疾患(体の病気)を伴う場合には大学病院や、総合病院を紹介してもらえると安心ですね。

通常、そのような場合には紹介する病院あてに患者さんの状況をお知らせする紹介状を出します。

口腔外科や矯正歯科はもともと専門的な分野でした。しかし、最近では歯の根の治療や、歯にかぶせるセラミック、歯がないところにいれる入れ歯やインプラントも専門的になってきています。

記録をしっかりと残している

最近の歯医者では診療カルテを電子カルテとし、治療の記録はパソコンのサーバーに安全に保管しています。電子カルテは治療の履歴が部位ごとに検索できるので、治療の歴史をかんたんに調べられます。

また患者さんからご質問があったこと、ご説明した内容 、治療に対するご希望や、来院できるスケジュールなど情報も細かく記録して保存しています。

通院歴の長い患者さんになると紙のカルテでは枚数が多くなり、以前の治療内容を確認するのがとても大変です。しかし、電子カルテであればすぐに検索することができ、今後の治療計画の参考にして、適切な治療を行えます。

紙と違い汚れたり、紛失したりしないので安心です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

いい歯医者のポイントってたくさんありますね。

やはり、人と人の関係なので実際に会って話してみることが大事ではないでしょうか。

相談、検診、診断とお話をしてみて、自分と歯医者の相性が合いそうか試してみるのもいいでしょう。

お話が上手な先生の腕がいいとも限りませんし、寡黙な先生の腕が悪いわけではありませんが、患者さんと歯医者さんのコミュニケーションをとってみましょう。