進行度ごとの虫歯の症状と治療方法

日常的に、自分の歯をよく見る習慣はありますか? あまり観察する方は多くないかもしれません。虫歯は非常に初期の段階だと、自覚症状がほとんどなく、見た目にも分かりにくいです。

しかし、気づかないと徐々に進行し、それに伴って治療方法も変わってきます。虫歯の進行度とその症状、治療法・予防法などをご紹介します。

 

なぜ虫歯はできるのか?

そもそも、なぜ虫歯ができてしまうのでしょうか。その原因やメカニズムなどを解説します。

虫歯ができてしまうメカニズム

虫歯とは、ミュータンス菌などの虫歯菌が原因で起こる感染症です。虫歯菌は歯の表面についている歯垢(プラーク)に住みつき、口の中に入ってきた糖分を養分に酸を出します。

この酸が原因で歯の表面を溶かしてしまい、やがて穴が開くほどになって、虫歯になります。そのため、歯をみがいて歯垢を除去することが虫歯予防となるわけです。

虫歯になりやすい条件

虫歯になりやすい人となりにくい人がいますが、以下のような体質や生活をしていると、とくに虫歯になりやすいです。

  • 歯並びや噛み合わせが悪い
  • 虫歯になりやすい性質の歯
  • 歯を磨く頻度が少ない、間隔が広い
  • 唾液が少ない、酸の中和能力が低い
  • 糖分など歯垢になりやすい飲食物をよく摂取する

進行度ごとの虫歯の症状

虫歯の進行度はC0(超初期)~C4で表されることが一般的です。どの程度進むと、どういった症状や影響が出るのかなどを解説します。

CO(要観察)

もっとも初期の段階です。まだ完全な虫歯になっていない場合もあります。見た目にも分かりにくいですが、ときに表面が白く濁る、溝が茶色くなるなどが見られます。

C1(初期虫歯)

歯の表面のエナメル質が溶け、黒か茶色の小さい穴が開いた状態です。冷たいものがしみる場合がありますが、痛みは出ないことが多いです。ここまで進行すると、再石灰化での治癒はむずかしくなります。

C2(中程度)

虫歯がエナメル質の奥、象牙質まで達した状態です。表面上は小さな穴でも、中で広く進行している場合もあります。冷たいものがしみる、痛みなどの症状のほか、さらに進行すると熱いものもしみます。

C3(重度)

象牙質のさらに奥、歯髄(神経)まで虫歯が達した状態です。ここまで進むと、炎症が起きて激痛が生じます。象牙質は柔らかく虫歯の進行が加速しやすいため、早期の治療が必要です。

C4(末期)

歯髄が腐敗して見える部分の歯がなくなり、ほとんど歯根のみになってしまう最終状態です。神経が死ぬまで進行すると、痛みはなくなります。

進行度ごとの虫歯の治療方法

進行度によって、歯やその神経に対する治療方法も大きく変わってきます。それぞれどのようにおこなうか、見ていきましょう。

CO(要観察)

ごく初期であれば、削らず再石灰化(唾液による自己修復)を促進させることで、自然治癒に期待できます。対応としては、歯磨きやフッ素の塗布などをおこない、経過観察することが多いです。

C1(初期虫歯)

虫歯の箇所を削って、プラスチック製のコンポジットレジンと呼ばれる詰めものをするのが一般的です。歯の表面のみの処置になるため、痛みはありません。治療も1回で終わる場合が多いです。

C2(中程度)

C1と同様に虫歯部分を削ってコンポジットレジン、もしくはインレー(セラミックや金属)などの詰めものをします。インレーの場合、歯型を取って次回の治療時に詰めるため、2回の通院が必要です。

C3(重度)

麻酔を使って歯を削り、虫歯が達した部分の神経を除去する「根管治療」が必要です。歯の状態によって、以下のように治療します。

歯髄がある場合

麻酔後、歯に穴を開けて歯髄を除去して、その部分に消毒薬を詰め込んでフタをします。この薬は通院ごと複数回の交換をおこないます。内部の消毒が済んだら薬を詰め、歯の形を整えて被せ物をします。

以前に治療したため歯髄がない場合

詰めもの・被せものなどを除去し、虫歯になっている部分を除去します。あとは歯髄がある場合と同様に薬を詰めて交換などを経て、被せものをします。

C4(末期)

ここまで進行してしまうと、歯を残しての治療は困難となり、抜歯になることが多いです。抜歯後は部分入れ歯もしくはインプラント、ブリッジ(歯と歯を連結するもの)を入れることになります。

定期健診で虫歯の進行を防ぐ!

前述のように初期虫歯は見た目での判断がむずかしく、一般の方に見分けることはほとんど不可能です。しかし、それに気づかないまま放っておくと、悪化してしまう可能性があります。

その点、定期検診を受けていれば初期虫歯が早期発見でき、正しい歯磨きの実施やフッ素の塗布だけで治るケースも多いです。

虫歯を放置すると激痛が生じますし、それだけ治療に時間や費用がかかったり、最悪の場合は歯を失ってしまったりもします。それを防ぐには、定期検診が非常に重要なのです。

まとめ

虫歯は非常に初期だと自覚症状はなく、見た目で判断しにくいです。そのため気づくことになるのは、たいてい食べものがしみる、痛みを感じるなどの症状が出てからになります。

しかし、虫歯は時間が経つだけ歯を蝕んでしまいます。そうならないために、ふだんから歯磨きの仕方を注意したり、定期検診を受けたりしておくことが大切です。