フッ素入り歯磨き剤について

フッ素入り歯磨き剤の効果

フッ素入り歯磨き剤は、小児や若い成人の虫歯だけではなく、成人の歯の根の部分に出来た虫歯の予防にも有効です。
高齢者の残存歯数が増加している現代において、非常に有効な虫歯予防手段となります。
虫歯抑制率は23~32%程度で、フッ化物洗口、水道水フロリデーションについで、高い予防効果が期待できます。
また、フッ化物イオン濃度による影響としては、1,000ppmを超える場合は、500ppm上昇するごとに臨床効果が6%上がると報告されています。

フッ素入り歯磨き剤の安全性

フッ素入り歯磨き剤は、約15億人がが利用しており、世界で最も普及しているフッ化物応用です。
日本のフッ素入り歯磨き剤の市場シェアは、2010年以降90%に達し、この普及が国内外の子供たちの虫歯を減少させた大きな要因であると報告されています。
これまで、日本における歯磨き剤に配合できるフッ化物イオン濃度の上限は「薬用歯みがき類製造販売承認基準」によって1,000ppm以下に規制されていました。
一方、ISO(国際標準化機構)では1,500ppmが上限で、日本は世界標準より、500ppm低く設定されていました。
しかし、平成29年3月フッ化物イオン濃度1,000ppmを超える歯磨き剤が厚生労働大臣によって承認され、日本はようやく世界標準になりました。
厚生労働省をはじめ世界150以上の保健専門機関がフッ素入り歯磨き剤を含む、フッ化物応用を推奨しています。
そして、1,500ppmフッ素入り歯磨き剤を成人用の歯ブラシの全幅に1g付けた場合のフッ化物量は1.5gです。
体重20kg(6歳児の平均体重)のフッ化物見込み中毒量は100mgですから、仮にその歯磨き剤1gを全て飲み込んだとしても、見込み中毒量には達しません。

フッ素入り歯磨き剤の使用方法

●使用歯磨剤量は、最低でも歯ブラシの半分以上(成人で0.5g以上)使用する

●ブラッシング途中の吐き出しは、出来るだけ控える(1回程度まで)

●使用後の洗口は、約15mlの水を口に含み、約5秒間の洗口を一回だけにする

●使用後の飲食は、できるだけ控える(約2時間程度)

フッ素入り歯磨き剤使用上の注意点

日本歯磨工業会では、フッ化物イオン濃度1,000~1,500ppmのフッ化物配合歯磨剤に記載すべき注意表示等に関する自主基準を策定しました。
その注意表示は、「6歳未満の子供には使用を控える」、「6歳未満の子供の手の届かない所に保管する(記載を省略しても、やむを得ない)」、「配合濃度を直接の容器等に記載する」などです。

まとめ

フッ素は自然界の動物や植物、食品、土壌中や海水中などにも広く存在する元素です。
フッ素元素の陰イオンの状態にあるものをフッ化物と言います。
虫歯予防に使用されているフッ化ナトリウムもフッ化物です。
フッ化物は、歯垢による酸の生成を抑え、再石灰化作用、歯質強化の働きにより虫歯を予防します。
使用の際のポイントは、適正量を守り、毎日コツコツと使って頂くこと、必要以上の水でゆすがずフッ化物を長く口の中に残すことです。
正しく使用し、虫歯予防に役立てましょう。

デンタルダイヤモンド社
読者と創る Dental Diamond magazine
2017年11月号より一部引用